改めて確認しておきたい離婚までの手順
結婚生活を終わりにしたい。そして、できるだけ早く離婚して自由になりたい。
このように離婚したいと思っても、相手のある事なのでなかなかスムーズに進まないのが離婚というもの。気持ちばかり焦ってしまうと、何から手を付ければいいのかさえも分からなくなり、どんどん離婚が遠のいてしまうような気持ちになってしまいます。
とにかく、離婚を考え始めたならば、実際に動く前に下準備をしっかりすることが必要です。離婚までの手順や進め方を見ていきましょう。スムーズに、そして自分にとって有利に進めていくためには、何が必要なのかを考えてみたいと思います。
まず離婚を決意したら、次のような流れで進んでいくことが多いでしょう。
- 離婚を決意する
↓ - 相手に離婚を切り出す
↓ - 財産分与、慰謝料、親権、養育費などについて話し合う(話がまとめれば協議離婚として成立)
↓ - 話がまとまらない場合は、家庭裁判所で決める(離婚調停、裁判離婚など)
↓ - 離婚届を役所に提出する
離婚を成立させるためには、二人の同意はもちろん、財産分与や子どもの親権など決めなければならないことも多くあります。離婚を有利にかつスムーズに進めるためには、行動を起こすタイミングや順序を念頭に置きましょう。なお、離婚成立までにかかる期間は協議離婚なら即日離婚の手続きを完了させることもできますが、相手の同意を得るために時間がかかったり、親権や養育費がなかなか決まらず時間がかかることがあります。訴訟を申し立てた場合には、1年半~2年の期間が必要になったりすることもあります。
意外と書くことが多い離婚届け
離婚の決意をしたならば、まずは離婚届けを用意しましょう。婚姻届けとは違い、離婚届には記載しなければならないことがたくさんあります。
- 離婚前の氏に戻る者の本籍
- 未成年の子どもの名前(親権)
- 同居の期間
- 別居する前の世帯主の仕事と夫婦の職業
などなど、こんなことも必要なの?と思うようなことを書かされます。
少々面倒だと思うのが正直なところですが、記入できる箇所は時間を見つけて少しずつ埋めておくことをおすすめします。
また、住んでいる住所が本籍地と違う場合は戸籍謄本が必要となりますので、戸籍謄本を取り寄せておくとスムーズに進むでしょう。
離婚するための手段とその種類
日本には、夫婦がともに同意することにより離婚成立する「協議離婚」という制度があります。
簡単に言えば双方の話し合いで離婚が決まるもので、離婚届に署名のうえ市町村役場に提出すれば離婚が成立します。離婚届け提出の際には親権だけ決めておかなければなりませんが、そのほかの慰謝料や養育費(離婚届に取り決めをしたかどうかのチェック欄はあります。)、財産分与などは離婚届提出前に決めておく必要はありません。しかし、離婚してしまうと話し合いが難しくなる場合も多いので、全てを決めてから離婚届けを提出することをお勧めします。とにかく2人の間で離婚する意思が固まっている、という場合には協議離婚が一番早くてスムーズに進みます。
次に、話がまとまらなかった場合には「離婚調停」を行うことになります。これは裁判所の一室にて、双方の話し合いに調停委員が仲介します。こちらも基本的には話し合いで離婚を進めるという手続きなので、双方の同意がないと離婚は成立しません。
それでも離婚が成立しない場合には、最後の手段として「離婚裁判」に持ち込むしかありません。ただし、裁判ですから、どちらかが納得できなくても婚姻関係の継続が困難だと裁判官が判断すれば離婚になりますし、離婚に値する理由が見つからないとされれば離婚請求が棄却されて、本人の気持ちとは関係なく夫婦関係が続きます。
ですので、離婚裁判へ持ち込むなら、裁判官を説得させるための証拠や理由を準備しなければなりません。ここまで来てしまうと自分1人ではなかなかやり切れません。裁判所へ提出する書面も決まった書式がありますので、裁判をするのなら弁護士への依頼が重要になります。
離婚を決意させた証拠を手元に集めること
協議離婚、調停離婚、裁判離婚のいずれにおいても、離婚したいと思うようになった理由や原因をしっかり準備することが、離婚を有利にスムーズに進めるコツです。その証拠を相手や調停員、裁判官に提出し、なぜ離婚を選んだのかということを理解してもらえるように説明するのです。
具体的に例を挙げると、
DVやモラハラが原因なら、診断書や音声録音
相手の浮気が原因なら、浮気相手との写真や行動記録
などを集めておき、相手との結婚生活が破綻していることを証明できるように準備しておきましょう。
「離婚するにはエネルギーを消耗する」とはよく言ったものです。
結婚に比べて、離婚は双方で決めなくてはならないことが多いことにより、ひとつ間違えると離婚成立まで長くなってしまう道のり。ですが、綿密な計画と事実の積み上げを根気よく行えば、離婚への近道が見えてきます。
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・JADP認定 上級心理カウンセラー
・夫婦関係専門カウンセリング (株)トータルサポートプラスの代表取締役。
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