浮気の証拠を掴むメリット・デメリット

疑い出すと事実を知りたくなるというのが心情

 

 

前回の記事「離婚時の慰謝料額はどのように算出するの?!」でもご紹介したように、不貞行為に対する慰謝料請求においては、ある程度の証拠集めが必要になることはご説明したとおりです。裁判所などの第三者が客観的に判断するうえでは、諸般の事情や感情はともかく、裁判所としては事実をもってして判断する必要がありますので、不貞行為の事実や浮気相手とのメールのやりとり、そうした兆候や動向などを事細かに記録しておくことで、裁判等を優位に運べるようになることは言うまでもありません。もちろん、相手方の浮気を原因として離婚を決意している場合は、既に愛情が憎悪に変わってしまっている事が多いので、とことん証拠集めをするケースも多いのですが、できれば夫婦関係を修復したいと思っている場合には、仮に薄々浮気を勘付いていたとしても、その事実に向き合うのが怖いというケースも少なくありません。

 

浮気の調査と言えば、真っ先に探偵事務所を思い浮かべると思いますが、実質的に探偵事務所や興信所は探偵業法によって規制を受ける調査会社であり、その違いはほとんどありません。興信所でも探偵事務所という屋号である場合もあれば、その逆も然りですが、浮気調査を探偵事務所に依頼する場合、その調査期間にもよりますが、決して安易に依頼できる金額ではないので、しっかりと公安委員会への届出されている調査会社なのか?料金体系はどのようになっているのか?何をどのように調査し、報告してくれるのか?などの説明をしっかりと受けたうえで、ご自身の判断のもとで依頼する必要があります。こういう状況下においては、感情的になって冷静さを欠いている傾向にあるため、探偵事務所などとのトラブルも多く聞かれます。浮気の発覚で精神的に弱っているうえ、さらに料金などの金銭的トラブルに巻き込まれないよう注意してください。

 

なぜ探偵事務所や興信所に依頼する必要があるの?

 

 

離婚調停において、浮気に対する証拠が必要になることは上述の通りですが、証拠においてはご自身でもある程度集めることは可能です。特に相手方の浮気を証明するうえでは、浮気相手との不貞行為、つまり肉体関係があった事実を証明する必要があり、ツーショット写真やメールのやりとりのみでは、証拠能力としては完全ではありません。こうした事実が証拠としてまったく役立たないということではありませんが、ご自身で集める証拠については限界があり、また当事者という観点からすれば、第三者が集めた証拠の方が説得力も高いという側面もあります。また、追跡調査などは、ある程度の行動範囲やアタリがないと全く見当もつかないものです。すでに相手の浮気を原因に離婚を決意されているようであれば、離婚原因に対する慰謝料と離婚自体における慰謝料、その総額が離婚慰謝料になりますので、そのような場合は探偵事務所を活用した方がメリットは高いと言えます。

 

一方で、探偵事務所などの調査によって知り得た事実は、依頼者であるあなた自身に事細かに報告されます。浮気を疑った時点では、事実を知りたいという気持ちがある一方、パートナーがそんなことをするはずがない、という気持ちもあるはずですが、実際に浮気現場などが報告されてしまうと、裏切られたことに対する怒りと悲しみにうちひしがれ、精神的に参ってしまう方も少なくないのです。調査に対するメリットは、言うまでもなく不貞行為の証拠を掴むことができること、そして有責配偶者からの一方的な離婚申し立てができなくなることなどが挙げられますが、デメリットとしては精神的ダメージが大きいこと、そしていざ冷静になった時に「証拠を突き止めてどうしたいのだろう?」という空虚感だけが残ってしまうことも少なくありませんので、調査を依頼する前に必ずしっかりとした目的を持って取り組む必要があります。

 

事実を明らかにする前に気持ちの整理が必要!

 

当相談室のように、夫婦問題カウンセラーは様々な夫婦間の浮気のケースや個々人の感情、気持ちの変化について見てきております。特に女性については、ご自身でお仕事をされている方なら、離婚後も生活の基盤がある程度整っているので気持ち的にも踏ん切りがついているケースも多いのですが、専業主婦の方などは、離婚後の生活など経済的な問題もあり、不貞行為の事実が判明したとしても離婚を決意できず、気持ちのやり場を失くしてしまう場合も多々あります。そうした気持ちの整理などのメンタル面は、弁護士事務所や探偵事務所などでは決してサポートしてくれない部分ではありますので、パートナーの浮気を疑ったり、疑念を抱くような事実が発覚した際には、まず当相談室でのカウンセリングをおすすめいたします。

 

仮に浮気の事実を掴み、不貞行為の証拠を突き付けて反省させ、今後の夫婦関係を修復したいとご自身が考えていたとしても、必ずしも今後の夫婦生活が上手く行くとは限りません。カウンセリングにおいては、まずはご自身でどのようにしたいのかという目的と、その目的に対する手段を一緒になって考えます。そこには当然ご自身の気持ちが必要となりますので、ご自身でどうしたいのか?という感情的な部分を整理しながら、今後の方策を検討すればよいのです。不貞行為が明らかになった場合、精神的にも混乱状態に陥りやすいため、友人や知人に相談して気持ちを落ち着かせることも必要ですが、専門家のアドバイスも必要となります。このような場面に直面されているようでしたら、ぜひ一度当相談室をご活用ください。

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