子どもが何も言えない事を理解する

両親の離婚に敏感になる子供のイメージ写真

当事者であるご夫婦以上に子どもは敏感!?

離婚というのは夫婦間の問題であり、離婚するにせよ修復するにせよ、夫婦二人で決める問題ではあります。自分の気持ちに忠実に決めれば済むことではありますが、二人の間に子どもがいる場合は、そう簡単に決められるものではありません。子どもの気持ちや環境の変化などを考慮したうえで、適切な判断を下す必要があります。

子どもにとって両親は、いつも自分のそばに居てくれる唯一の存在なのです。離婚することにより、子どもが親に不信感を持ったり、喪失感を抱いたりすることもよくあります。離婚する本人たちが思うより、子どものほうがずっと離婚に対して過敏になっているという点を念頭に、仮に離婚に至ったとしても夫婦でしっかりと子どもの成長をサポートし続ける必要があります。

親の離婚を子どもはどのように思っているのか?を考える

シングルマザーと幼い子のイメージ写真

公益社団法人 家庭問題情報センター(http://www1.odn.ne.jp/fpic/)の調査によると、子どもに離婚することを話した時の反応は、淡々としていた、泣いてしまった、離婚に反対だと受け入れなかった、心因性による症状(夜尿など)が現れた、など、離婚を受け入れられずにショックを受けて複雑な気持ちを抱えてしまうことは確かなようです。

「不安」「寂しい」などは当然ながら感じていることでしょう。いつもすぐそばに居た人が居なくなってしまった、目の届くところから消えてしまった、というのは子どもにとって大きな変化です。成長した子どもたちに両親が離婚したことを、当時どのように感じたかを聞いたところ「なぜ離婚することになったのか、その理由をきちんとわかるように説明して欲しかった」「離婚後の生活の変わりようについてもきちんと教えて欲しかった」というものが多数でした。3歳や4歳では説明しても理解できないと勝手に思いがちですが、両親が別れてしまうということは幼い心でも理解します。子どもにも理解できる言葉で優しくお話してください。

離婚が子どもに与えるさまざまな影響

両親の離婚は必ず子どもに何らかの影響を与えます。それはすぐに目に見える場合もあれば、成長するとともに徐々にいろいろな形で見えてくることがあります。親から見捨てられた、あるいは捨てられたという不安により学業成績は落ち込みます。また、離婚によって家庭が壊れ、自分の居場所が不安定になったことによるストレスで不安感や神経過敏になり、物事に対しての適応が難しくなることがあります。

物心の付き始める3歳から就学前の6歳くらいでは、保育園や幼稚園で他の子どもとその家庭を知る機会を得ます。そこで自分と他人とを比べて、自分に両親が揃ってないことを疑問に思いますし、自分に父親または母親がいないことを指摘されると、うまく返答できずに混乱して落ち込んだり、逆に暴力的になることがあります。このような場合は親の対応がその後の成長に影響するので十分注意が必要です。これらは一握りの例ですが、いずれにしても子どもに対しては嘘をつかず誠実に対応することが大切です。

環境の変化による影響はどんなこと?

離婚を背景に、引っ越しで住まいが変わったり、転校して学校を変わったりすることに対しては、子どもにとってどのような影響があるのでしょうか?これについては、どうしても負の影響のほうが多いのは否定できませんし、今までとは違う生活リズムに当面は戸惑うことになるでしょう。子どもの転校は、これまで築いた友人関係を縁遠いものにし、寂しさと孤独感で落ち込んでしまうかもしれません。過去記事「子どもの転校を伴う離婚の留意点」でも詳しく取り上げていますので、こちらもご参考ください。

専業主婦、あるいは時間に余裕のあるパートタイムだった母親が、離婚を期にフルタイムで働くようになると、帰宅時に誰も居なかったり、食事も子供一人で済ませなければならなかったりなど、離婚前とは大きく生活環境が異なることで、ストレスを感じて戸惑うことになるかもしれません。中高生ですと、不登校や夜遊びなど、不適切な方法でストレス発散をすることがありますので、生活態度の変化には十分に気をつける必要があります。

子どもをよく観察しサポートしましょう

子どもは親が思っている以上に、両親の気持ちを気遣ったり、親の顔色や話している内容を聞いていたりします。幼いからといって、適当なことを話すと信頼関係が失われる原因になります。3歳くらいでも親からの対応や衝撃的な事柄は強く記憶に残り、成長したときに思い出してはつらい気持ちになることも多いのです。親に心配をかけまいとして表面的には明るく振る舞ったりしますので、忙しい親は見逃しがちですが注意深く見てあげることが大切です。

住まいや学校の変更などの環境はできるだけ変えないほうがいいのですが、どうしてもその必要があるならば、常に子どもの様子を観察し、穏やかに話しかけてコミュニケーションを取り、愛情を持って接してあげるよう心掛けましょう。離婚と子どもに関する問題は、 離婚と子どもの問題でも詳しく説明していますので、そちらも合わせて参考にしてください。

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夫婦カウンセラー/離婚カウンセラー 高橋知子
夫婦カウンセラー/離婚カウンセラー 高橋知子
・夫婦カウンセラー/離婚カウンセラー
・JADP認定 上級心理カウンセラー
・夫婦関係専門カウンセリング (株)トータルサポートプラスの代表取締役。
・高橋知子横浜相談室を運営

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