家庭におけるモラルハラスメント(以下モラハラ)は、『巧妙に人の心を傷つける精神的ないじめ』のようなものです。
身体的な暴力を振るうのではないため、見た目では判断しにくく、加害者に言われ続けることによって、じわじわと被害者をマインドコントロールし、
蝕んでしまうのです。
DV(ドメスティック・バイオレンス)の身体的暴力以外の定義に重なる部分もありますが、DVは加害当事者のみの考えの押し付けであるのに対し、
モラハラは、加害当事者を含む社会の常識に被害者が反しているのだと錯覚させる口撃を巧妙に向けてくるという違いがあります。
我慢も限界に達し、抵抗したことを機に、モラハラがDVに発展するケースや、ストレスから後に深刻な心の病を引き起こすケースもあり、
軽く考えてはいけないのです。
モラハラを起こしやすいタイプとして、
・高学歴で社会的地位が高く、プライドが非常に高い
・自己中心的で、相手の視点や気持ちがわからない
・コンプレックスを抱えている
・親の愛情が過保護・過干渉若しくは虐待・ネグレクトなど偏重していた
・仕事上の多大なストレスを抱えている
などが挙げられます。
最近では、妻のモラハラに苦しむ夫も多くなってきました。
妻のモラハラは上記のタイプに加え、夫の過去の浮気や夫の対応の悪さを責める形で始まる傾向も見られます。
夫は、弱みを握られているため、言いなりになり、どんどんエスカレートしていくのです。
モラハラは我慢して待っていて解決する問題ではありません。
子どもの為にも離婚は避けたい、現状自立が難しいので離婚できないとお考えの場合は、このモラハラに至る根本的な原因や背景を追求し、
対処する努力が必要になります。
可能であればひとまず別居を検討するのもいいでしょう。
過度な言葉の暴力はモラハラであることを毅然とした態度で加害者に認識してもらう必要があります。
モラハラ被害者は、パートナーにとって良い人であろうとする傾向が多く見られます。
しかし、言われたことを従順に直す努力をしたところで、モラハラは無くなることはなく、エスカレートするものなのです。
怖さから下手に出てしまうでしょうが、それがモラハラを助長しかねない場合もあります。
何か無理な要求をされても、無理なものは無理!と、毅然と伝えましょう。
モラハラ相談の場合、細かな聞き取りからパートナーのモラハラの程度を把握し、そのケースに応じた対策をアドバイスいたします。