そもそも「モラハラ」とは何でしょうか?

言葉の暴力と書かれた写真

最近テレビや新聞雑誌などで見たり聞いたりする「モラハラ」という言葉。
周知のとおり「モラルハラスメント」の略語で、日本大百科全書によると、言葉や態度によって人の心を傷つけ、精神的な暴力や虐待を与えることで、モラルは道徳・倫理・精神的などの意味がありハラスメントは嫌がらせを意味します。暴言を吐いたり、嫌味を言って意地悪な態度を取ったり、相手にストレスを与えて精神的に疲弊させることにより、最悪うつ状態など身体にも影響を及ぼしたりするケースも少なくありません。これと同じようなケースにパワーハラスメント、つまりパワハラもあり、こちらは主に学校や職場などの上下関係が生じる場所において力関係が優位な立場の教師や上司などが生徒や部下に行う嫌がらせになります。

モラハラもパワハラも、悪意を持って意図的にそのような接し方をする場合もありますが、一方でモラハラと言われる側に「そんなつもりはなかった」「そんな程度で傷つくと思わなかった」「束縛を感じていたとは知らなかった」など、悪意の意識がないケースもあります。実際にどのような言動がモラハラに該当するのかは、線引きが難しい部分でもありますが、このページでは特に最近増加傾向にある夫婦間におけるモラハラについて、具体的事例も含め見ていきたいと思います。

家庭内のモラハラとは具体的にどんなものでしょうか

上述のとおり、モラハラというのは力関係が存在しないところで起きる嫌がらせや精神的暴力を指し、最近では数年前に芸能人夫婦の離婚劇からモラハラという言葉が世間一般に定着し、問題視されるようになってきました。モラハラは、近年における離婚理由の第4位になるほど夫婦間におけるモラハラが多くなってきておりますが、どのような言動がモラハラに当たるのか具体的にはわからない人が多いのが実情です。また、実際にモラハラを受けていたとしてもそのことに気づかない人も多いかもしれません。これは精神的に相手に虐待を与えるものであるため、暴力のように外見からはわからないものなのであり、周りからも気づかれにくいという特徴があります。

モラハラを受ける方の多くは、我慢することで平穏に収めようとする傾向があり、時間と共に精神的なダメージが大きくなり、被害を拡大させてしまう傾向にあります。逆にモラハラという言葉が独り歩きしてしまい、些細な喧嘩や言い争いだけで「モラハラよ!」と言われやすいことで、特に夫が妻に対して言いたいことが言えないことでストレスを溜めてしまうというケースも増えつつあります。モラハラについては双方の捉え方や主観的な部分も多いのですが、よくあるモラハラ行動の例としては、相手を恥辱するような暴言、無視をする、相手の行動に制限を掛ける、自分の考えを押し付ける、常にイライラしている・・・細かな点を挙げれば限りないのですが、確かにこんな状態でひとつ屋根の下で一緒に暮らすとなると、息が詰まるのも理解できます。

特に最近増加傾向にあるのが妻側からのモラハラ

モラハラについては、夫が加害者側で妻が被害者という先入観がある方も多いかもしれませんが、近年においては妻側からのモラハラやDVも多く、それが原因で離婚が成立することも少なくありません。DVについては物理的な暴力行為ですが、妻が加害者側になることも十分考えられるところです。モラハラについても具体的にどのような行為が行われるのか興味深いところでもあります。女性においては、感情の赴くまま言動に出してしまうケースが多いようですし、本当の悪意をもってモラハラを行うパターンもあります。夫の給料や所得等に対する愚弄、夫に対して激しい時間的な拘束、妻は家事、育児は殆ど行わず夫にやらせ、その上文句を言い続ける、無視する、口論の度に「離婚」をチラつかせるなど、その内容は年々辛辣になってきています。

被害者となる夫側においては、最初のうちこそ軽く受け流せる傾向にありますが、女性のモラハラは傾向としてしつこく執着する、時間と共にエスカレートしていくケースが多いので、夫側は徐々に精神的に追い詰められていきます。あまりの侮辱に逆上して、暴力など振るってしまった日には、パワハラだのDVだのを理由に離婚を突き付けてくる可能性が高いのも特徴です。特に真面目な性格の夫ほどモラハラのターゲットになりやすく、妻側から「何を言っても大丈夫」「何をしても怒らない」と思われてしまうと、モラハラは加速度的にエスカレートする傾向にあります。

「離婚する!」という口癖がモラハラになる?!

モラハラ自体、それのみで離婚事由となるかどうかは難しく、それによって体調を崩して通院しているとか、すでに別居しているなどの事実は必要になると思われます。こうしたモラハラ的言動においては、基本的に夫婦喧嘩の延長線上で捉えられますので、それだけでの離婚は難しく、余計にする側はエスカレートしていきますし、される側は我慢し続けてしまう傾向にあるのです。特に最近では、何か気に入らないことがあれば「離婚する!」「じゃ別れる!」と、口癖のように切り返す妻が増えてきているようです。離婚するのは、結婚するより労力が必要とはよく言われていますし、本当に離婚する気があって言っている訳ではないと思いますが、それを言われている夫側としては精神的なダメージも大きく、十分にモラハラとして認められる侮辱的な暴言と言えます。

「離婚する!」という言葉を盾に相手を威嚇し、大人しくさせて相手を支配しよう、侮辱しようとするのは立派なモラハラと言えます。仮にモラハラの被害者となる夫側ないしは妻側が離婚を決意した場合、まずは侮辱の暴言を録音したりして、離婚事由となる状況証拠を集めることになります。エスカレートした暴言や、度々発せられる「離婚する!」という口癖は、法的な離婚理由である「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当し、裁判離婚が成立する可能性も出てきます。そうした暴言の証拠を突き付けられてから「そんなつもりはなかった」と言ってもあとの祭りです。夫婦間でちゃんとした議論を持たずして、すぐに「気に入らないなら離婚する!」というようなスタンスを取ったり、実際に言葉に発するような行為は、デメリットが多いという点を認識しておくべきでしょう。

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夫婦カウンセラー/離婚カウンセラー 高橋知子
夫婦カウンセラー/離婚カウンセラー 高橋知子
・夫婦カウンセラー/離婚カウンセラー
・JADP認定 上級心理カウンセラー
・夫婦関係専門カウンセリング (株)トータルサポートプラスの代表取締役。
・高橋知子横浜相談室を運営

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