コロナ離婚の基礎と衛生概念要因

そもそもコロナ離婚ってなに?

 

 

ご承知のとおり、足許では新型コロナウィルスの感染拡大が顕著となっており、感染拡大防止の観点からも、マスク着用や消毒は当たり前、不要な外出自粛や、多くの人々が集まる施設の使用制限など、日常生活においても様々な変化をもたらせています。

そして、その変化が夫婦関係にも影響を及ぼすようになり、夫婦共にストレスが溜まりやすくなったり、そのストレスが元でケンカが絶えなくなり、結果的に離婚に至ってしまうケースが増加気味であることは、まだあまり多く知られていません。

これは、いわゆる「コロナ離婚」と呼ばれるもの

で、「もともと夫婦仲がうまくいっていなかったのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、これまで円満だった夫婦ですら、ギクシャクした関係になってしまったり、夫婦で顔を合わせるのが辛い、といったような夫婦関係に深い亀裂が入りやすい状況になりつつある問題点がクローズアップされています。

 

さて、この「コロナ離婚」の背景にある要因は何でしょうか。

そのひとつには、未知のウィルスである新型コロナから身を守ろうと除菌を徹底したい妻と、ウィルス感染のリスクは承知のうえで、外で働かなければならない夫の

生活習慣や価値観の違い

が挙げられます。
その他にも、夫の在宅勤務により夫婦が四六時中顔を合わせるようになったことや、休日も家に篭りきりになってストレス発散ができず、

夫婦で程よい距離を保てなくなったことなどが要因として挙げられます。

 

昨今では、誰もが経験したことがない未曾有の事態の真っ最中。多くの人がストレスを溜めている状況であり、さまざまなことで追い詰められて離婚を考えてしまうのも理解できますが、だからといって根本的な問題が解決されるとは限りません。夫婦間でしっかりと話し合い、新型コロナを家族で乗り越えていけるように、対応を検討してみてください。

 

新たな溝として浮き出た「衛生概念(観念)」の相違

 

 

付き合っていた期間がある程度長いと、お金の使い方や食べ物の好き嫌い、マナーなどは比較的目に付きやすいので、自分との考え方の違いや価値観の違いが把握できますが、思いのほか見えにくいのが衛生観念です。

 

新型コロナに感染しないための行動として

・マスクをする
・適度な距離を保つ
・外出から戻ったら手洗い・うがいをする

などが挙げられ、感染を防ぐためにはこれらを日々の習慣として行うべきですが、実はこれも各自の衛生観念の違いや感染予防に対する捉え方の違いが大きく、それゆえに夫婦間に溝が生まれてきているようです。

 

ウィルスをまき散らさないようにと、帰宅後の手洗い・うがいを徹底し、その後着替えて食事の前に再度手を洗う。
中には、帰宅後すぐにシャワーを浴びるという方もいるでしょう。

ところが、帰宅後しか手を洗わない、着替えずに食事しようとする、持ち歩いていたバッグをリビングのソファや椅子の上に無造作に置くという人もいます。いずれも

個人の感覚によるところが大きくどちらが正しいか?正しくないか?という話ではありません。

 

このように、新型コロナにより衛生に対する考え方の違いが表面に出て来ました。

衛生観念は生理的感覚でもあり、ずっとその感覚で生活してきたので、いざ未知のウィルスが発生しても、お互いの溝を乗り越えて理解しあうのはなかなか難しいかもしれません。

 

一緒に過ごす時間が増えストレス負担も急増

 

妻が専業主婦で夫が在宅勤務、あるいは夫婦ともに在宅勤務になったというケースでは自宅が職場となり、これまでよりも一緒にいる時間が長くなったご家庭が多くあります。それに伴い、ストレスを感じるようになったという意見を良く聞きます。

 

日本の住宅事情では、個別の部屋で仕事ができる、という恵まれた環境は少なく

 

・「音」の問題

相手のキーボードを叩く音が気になって、仕事に集中できない
相手のビデオ会議の声がうるさい

 

・「食」の問題

1日3食用意しなければならない
自分一人だったら簡単に済ませるのに、夫がいるときちんとした食事を作らなければならない

 

・「家事」の問題

分担していた掃除や洗濯などは妻の仕事になった

 

などの様々な問題が生じているようです。

また不思議なことに、相手の姿が見えないと「手が空いたから自分がやっておこう」といった気遣いが持てた場合も、目の前にいると「そのうち(相手が)やってくれるだろう」と相手への期待感が大きくなってしまいます。

しかし、その期待に応えてくれることもなく、それに対してイライラしてしまうこともあるのです。

今まで通りの生活であれば、ストレスを解消するために飲みに行ったり、ショッピングを楽しんだりと気分転換ができていたものの、外出自粛傾向にある今ではそれも難しいのが実情。誰もが新型コロナの対応を考えながら生活をしなければならず、

 

夫婦それぞれのプライベートを保つのが難しくなってきている

状況ですので、当然ストレスも増すことで夫婦関係にも亀裂が入りやすい傾向にあります。

たとえ「コロナ離婚」と頭に浮かんでしまっても、互いに話し合いをしたり、家事や育児の分担ルールを作ったりすれば、夫婦関係の悪化を回避することもできます。これまで通りの日常に戻るのは難しいかもしれませんので、

柔軟なスタンスで現実を受け入れることも重要
ですし、新しい生活様式に早めに馴れることも大切です。衛生概念という観点では、感染拡大防止のために夫婦共に家庭内でのルールを作って、無理のない範囲でしっかりと対策することが肝要です。

仕事をされている方なら、様々な人と接点を持つことは致し方ないことなので、例えば

・夫は妻にストレスをかけないため、ご家庭内では妻の言うとおりにする。
・妻は夫が外に出て仕事をしなければならないことに対して理解を深める。
といった具合に、互いの立場や認識を尊重しあうことが大切です。

過去記事▼新たな考え方や視野を広げるきっかけとなる離婚相談にもあるように、第三者に相談することにより偏りのない考え方や価値観を得られることもあります。コロナ離婚においても、

一時的な環境の変化やストレス
によって、精神的に不安定になったり、感情的になってしまっている部分もあるかもしれませんので、そうした状況であれば、一度「高橋知子の横浜相談室」のカウンセリングにお越しください。きっと冷静な判断を取り戻すきっかけになります。

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