離婚後、生命保険の受取人を変更せずに死亡した場合

離婚後、忘れがちな手続きとは

 

 

離婚するにあたり、家族構成の変化や引っ越しなどの他にも、書類上の手続きがたくさんあります。その中で忘れがちなのが、生命保険の受取人の変更。夫婦の場合、保険金の受取人は配偶者にしていることが多いのですが、離婚時には優先しなければならない事務処理がたくさんあるため、保険金の受取人の変更を忘れてしまうケースがままあります。

 

ですが、受取人の変更をせずにそのままにしてしまうと、再婚相手や子どもは保険金を受け取れないことになりますので、離婚時には生命保険の受取人を誰にするのかを確認する必要があります。

 

離婚後の受取人が元夫や元妻の場合に保険金は支払われる?

 

受取人の変更をせずにいた場合、被保険者が亡くなると保険金は誰が受けることになるのでしょうか。気になりますね!

結論からいいますと、受取人である人に支払われます

生命保険金は相続財産ではなく保険会社との契約なので、保険契約に基づき受取

人が受け取るもの。

ですので、たとえば受取人は元妻で被保険者の夫が死亡した場合には、契約通り保険金は元妻に支払われます。

 

なお、被保険者である夫が受取人はそのままにして、再婚し子どもを設けた場合も、保険金の受取は元妻になります。再婚して子どもがいるのだから再婚相手やその子どもに保険金は支払われるべきと考えるのが心情ですが、保険金はその契約書に書かれている受取人に渡ります。

 

共に生活していた配偶者と子どもに保険金を残すことができず、かつての配偶者の手に保険金が渡るというような、考えてもいなかった事態になってしまうこともありますので、離婚した場合には保険金の受取人を忘れずにきちんと見直しましょう。

 

受取人を変更する場合は税金対策を考慮すべき

 

 

また、離婚協議の結果、元妻に引き取られた子どもに保険金を残したいと考え、親権を持っている元妻を受取人のままにしておくというケースもあるかと思いますが、生命保険金には相続税が課税されますので、この際には相続税にも注意しなければいけません。

 

この相続税には一定額の非課税枠があり、「500万円×法定相続人の数」を生命保険金等から差し引くことができますが、その対象となるのは配偶者または2親等以内の血族(実祖父母・父母・子・孫・兄弟姉妹)となり、元妻は対象とならないために非課税枠がありません。

 

たとえば、保険金1000万円が支払われる場合
受取人が元妻ですと、相続税が10%かかり900万円が受け取れますが、
受取人が2人の子どもなら、非課税枠が適用されて1000万(500万円+500万円)そのまま受け取れます。

 

このように、元妻は他人となりますが、子どもは血族なので非課税枠が適用されます。もし、子どもにお金を残したいと生命保険金をと考えるならば、受取人は非課税枠が適用される子どもに変更することをおすすめします。

 

■参考
相続税の税率|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm
相続税の課税対象になる死亡保険金率|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm

 

高橋知子横浜相談室では、これまで数多くの離婚に関するカウンセリングを行ってまいりました。離婚したいけど決断ができない場合など、パートナーとの関係性に心配がある場合はぜひ一度カウンセリングをお試しください。夫婦問題カウンセラーがあなたの悩みや不安を受け止めて、解決できるようにアドバイスいたします。

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